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令和7年4月11日、令和7年度の入学式を滞りなく挙行いたしました。
桜の花がまだその姿をとどめる吉備高原の地で、ご家族の皆さま、来賓の方々のご臨席のもと、新入生たちを心より歓迎いたしました。
全寮制という環境に一歩踏み出した新入生たちの表情には、不安と期待が入り混じりながらも、これから始まる3年間への覚悟が感じられました。
この日を迎えるにあたり、ご家庭で支えてこられた皆さま、そして関係の皆さまに改めて感謝申し上げます。
以下に、当日の式辞を掲載いたします。新入生に贈った言葉が、在校生や卒業生、そして地域の皆さまにも届くことを願っております。
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式辞に先立ちまして、このたび、ミャンマー・タイを中心に発生した地震、および今治・岡山地域での山火事により、被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。被害に遭われた方々が、一日でも早く、平穏な日々を取り戻されますよう、心からお祈り申し上げます。このような困難な状況においても、支え合い、助け合うことの大切さを、改めて感じており、ともに歩んでいく力を信じております。その思いを胸に、今日のこの日を迎えられることに、感謝の気持ちを抱いております。
柔らかな日差しが大地を温め、春の息吹が感じられるこの吉備高原では、昨日の雨にもかかわらず、桜の花びらがまだ残り、今も美しく咲き誇っています。木々の芽吹きが鮮やかに広がり始めた、この地ならではの光景が広がっています。朝晩の冷え込みも少しずつ和らぎ、温かな空気を感じる、この素晴らしい日に、皆さんと共に、吉備高原学園高等学校 令和7年度入学式を挙行し、新入生のご入学をお祝いできることを心から嬉しく思います。
また、ご多用の中、あたたかいご臨席を賜りました来賓の皆様、心より感謝申し上げます。皆様のご支援とご協力があってこそ、本校の発展があり、そして新入生がこの場で新たな一歩を踏み出すことができることに、深い感謝の気持ちを抱いております。
ただいま入学を許可いたしました71名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんを心から歓迎いたします。きょうまでお子様を、慈しみ、共に歩んでこられましたご家族の皆様方にも、心からお祝い申し上げます。
本校はご承知のように、地元自治体をはじめ、地域や民間の協力を得て、岡山県が施設整備を行い、岡山県と民間とで構成する学校法人が運営する、全国初の『公私協力方式』の全日制普通科高等学校です。
本校の建学の理念は『全寮制による全人教育とコース制による個性尊重教育』により、『自主・創造・友情』の精神を養い、『豊かでたくましくくじけない心』の育成を目指しており、生徒と教員が寝食を共にし、互いに教え合い学び合い、共に協調して成長していく『教学相長』の場として、本校の教育への思いが込められています。
これから親元を離れての寮生活は、いろいろ不安や心配もあると思います。寂しかったり、辛かったり、泣きたい時もあるでしょう。しかし皆さんは、自分自身のために一歩を踏み出し、頑張ろうと、全国からこの吉備の家に集まりました。ここでは、一つ屋根の下で同じ釜の飯を食べることで、他人のことや自分自身のことがよくわかり、人と関わることの大切さを学ぶことができます。また規則正しい生活習慣を身につける絶好の機会でもあり、高校3年間という貴重な時期に身につけた能力は、一生の宝になることでしょう。 さあ、これからが始まりです。力強く歩みだしましょう。
さて、これからの高校生活には、きっと楽しいことも多くありますが、必ずしも平坦ではないかもしれません。しかし、どんなに困難な状況でも、「前を向いて進み続けること」の大切さを、曲の歌詞でお伝えしたいと思います。
(曲が流れる_「負けないで(作品コード:016-6420-4)」)
おなじみのZARDの「負けないで」という曲の一部です。お聞きいただいた部分には、困難に立ち向かう勇気と希望が込められています。特に「負けないで、もう少し、最後まで走り抜けて」というフレーズは、まさに今、皆さんが歩み始めた新しい道にぴったりの言葉です。高校生活では、勉強や部活動、友人関係など、さまざまな挑戦が待っています。その中で、失敗や挫折を感じることもあるかもしれませんが、そんな時こそ、このフレーズを思い出してください。そして、途中で環境を変えず、ここを人生の土台と定め、困難に立ち向かいながら、確かな力をつけて、必ずこの学校を卒業してください。3年後、笑顔やうれし涙で、振り返ることができる日が来ることを信じて、前進し続けてください。
次の「どんなに離れてても、心はそばにいるわ」というフレーズも、皆さんにとって、非常に大切なメッセージです。全寮制での生活は、親元や地元の親しい友人など、大切な人たちとの物理的な距離は遠くなりますが、その分、教職員や仲間たちと共に過ごす時間が、皆さんを支え励まし合う、大切な絆を築いていきます。皆さんの大切な人
たちは遠くからいつも見守り、応援してくれています。心の中で常に繋がっていることを感じてください。
最後の「追いかけて はるかな夢を」というフレーズには、皆さんがこれから追い求めるべき、大きな夢に向かって進む、力強いメッセージです。夢を追い続けることで、必ず目標に近づくことができるはずです。皆さん一人ひとりが、前を向いて進んでいくことを心から願い、私たち教職員は、しっかりと支え続けることをお約束いたします。
最後になりましたが、ご家族の皆様、お子様たちが新しい学校で自分の道を見つけ、しっかりと自分の足で歩み始める姿に、きっと感動を覚えられていることと思います。教職員も、同じ気持ちでこの時を迎えています。
現代では、学校教育も多様化しており、通信制をはじめとする、さまざまな選択肢がある中で、お子様たちは、全寮制の学び舎に身を置く道を選ばれました。それは勇気を持った決断であり、その決断を支えてくださった、ご家族の皆様に、深い敬意を表します。
全寮制で、自己成長を求め、他者と共に過ごしながら学び合う、ほかではできない、貴重な経験を積むことのできるこの道をお子様たちが選ばれたことに、われわれ教職員も、ご家族の皆様と共に、「負けないで」と心から応援していきたいと思います。
先般の法改正により、3年後の卒業時には、成人としてさまざまな責任を果たす時が訪れます。選挙権を持つことだけでなく、新成人としての責任を自覚し、一人で人生を切り開く覚悟が求められます。これからは、自分の頭でしっかり考え、判断し、行動する力を養い、大人として成長していくことを心から願っています。
今後は、波風から守ろうとするのではなく、波風に立ち向かいながら失敗を恐れずに進む力をつけていけるよう、温かく見守っていただきたいと思います。試練を乗り越えた先で、人の弱さや痛みに気づき、やがて人を愛することのできる強さを身につけていくことでしょう。どうか過保護・過干渉にならず、適切な距離で支えていただければと思います。もし、お子様の生活や学校での様子に不安なことがあれば、どうぞ遠慮なく、担任にご相談いただければと思います。
本校教育への、ご理解とご協力をお願い申し上げ、これからの学校生活が、素晴らしいものとなることを、心より願い、本日のお祝いの言葉とさせていただきます。
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